中国天安門事件からもう30年ですか

中国天安門事件からもう30年ですか

 日本政府は、30年を迎えた天安門事件への直接的な非難を控え、現在の中国の人権状況に対する懸念を表明するにとどめている。

日中関係改善を優先していることが背景にあり、事件に過敏な中国を刺激しないよう抑制的な対応を取っている。

中国共産党政権は現在も、民主化を求める学生らを武力で弾圧した同事件を正当化している。河野太郎外相は4日の記者会見で、事件への見解を問われたのに対し、「自由、基本的人権、法の支配は国際的に共有されるべき価値観だ」などと一般論を述べるにとどめ、「政治体制が違う中でも普遍的な、共有できる価値観についてはこれからも日中の間で議論していきたい」と語った。

日本政府は同事件を「武力弾圧」「虐殺」などと表現することも意図的に避けている。こうした対応について、首相官邸幹部は「日中関係が改善傾向にあり、経済的なつながりも深まっている」と指摘し、対中関係への配慮をにじませた。

今月下旬には、大阪市で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせた中国の習近平国家主席の来日を控え、中国とのあつれきを避ける狙いもあるとみられる。

政府を支える与党も事件への発言には慎重だ。中国に人脈を持つ自民党の二階俊博幹事長は4日の記者会見で「重大な事件であっただけに、思いを新たにして当時のことを思い巡らしている。十分関心を持っていきたい」と指摘。公明党の山口那津男代表も会見で「中国国内で(事件を)どう振り返るかは内政の問題でもあるので日本側から言及するのは控えるべき部分もある」と述べるにとどめた。

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