台風被害、イチゴ農家も=主力「とちおとめ」水没-「食事喉通らない」・栃木

台風被害、イチゴ農家も=主力「とちおとめ」水没-「食事喉通らない」・栃木
台風被害、イチゴ農家も=主力「とちおとめ」水没-「食事喉通らない」・栃木

 台風19号により秋山川の堤防が決壊し、多くの家屋に浸水被害が出た栃木県佐野市では、イチゴ農家も打撃を受けた。

県産イチゴの主力産品「とちおとめ」の苗も水没した。生産農家は必死に洗浄などを行っているが、本格的なシーズンを前に、出荷にこぎつけられるか不安を抱えている。

栃木県はイチゴの収穫量が51年連続で日本一を誇る。中でもとちおとめは鮮やかな赤と大きく甘いのが魅力で、根強い人気がある。クリスマスケーキなどの需要もあり、11月から本格的なシーズンを迎える。

同市庚申塚町でとちおとめを育てる谷藤幸さん(53)は台風が通過した後の13日朝、目の前に広がる光景に絶句した。一面が水に覆われ、「海のようになっていた」。水位は約1.7メートル。気温が高かったため、苗は温水に長時間漬かる状態になった。

白い花が付き始め、1カ月ほどで収穫できるところまできていた。谷さん一家は、ハウス内に流れ込んで頑固にこびり付いた泥を洗い流す作業を続けている。

その後消毒も行い、何とか出荷につなげたいというが、「本当に収穫できるのか」と心配する。家族からは「ご飯が喉を通らない」と悲痛な声も上がる。

同市船津川町で乳牛を飼育する亀田源次さん(70)の牛舎では、水位が約1メートルに達した。乳牛約45頭は丸1日以上泥水に漬かった。幸い死んだ牛はいなかったが、エサも食べられず、泥水を飲んで生き延びたという。

牛たちは衰弱し、乳質が悪化したため、1トン以上の牛乳を廃棄した。飼料の牧草も多くが水に漬かって駄目になり、機械の故障も出た。

亀田さんは「牛の命も人命と同じ。1頭も死ななくて本当に良かった。体調がしっかり回復してくれればいいが…」と不安そうに語った。

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