訪日消費で劇的“転身” 「高島屋東別館」滞在型ホテルに

訪日消費で劇的“転身” 「高島屋東別館」滞在型ホテルに
訪日消費で劇的“転身” 「高島屋東別館」滞在型ホテルに

共用キッチンや食卓、ソファーなどを備えた「レジデンスラウンジ」のイメージ(アスコットジャパン提供)

 アールデコ調の美しい外観で知られる大阪・日本橋の「高島屋東別館」が18日、訪日外国人客(インバウンド)を主なターゲットとしたホテルに衣替えする。前身の百貨店時代に「東洋一の百貨店建築」と称された歴史的建造物だが、老朽化や交通アクセスの不便さなどから、活用方法が長年の課題だった。インバウンドの勢いを得て本格的な再スタートを切る。

東別館は近代建築の巨匠、鈴木禎次が設計し、昭和3年から12年にかけて建てられた「旧松坂屋大阪店」が前身。地上9階、地下3階。堺筋に沿って約67メートルのアーケードや11連のアーチが続き、アカンサスの葉をモチーフにしたテラコッタの外壁などが特徴で、内部もエレベーターホールに大理石がふんだんに使われるなど荘厳な建造物として知られた。

高島屋は同44年に建物を取得。事務所や「高島屋史料館」など主に高島屋の自社施設として使用していた。結婚式場やインテリア雑貨店、カフェなどのテナントが入ったこともあったが、自社施設としての利用が大半だった。

老朽化のため建て替える案もあったが、歴史的な建築物を生かした活用策を模索。本格的な商業施設をつくる、賃貸オフィスにするなどさまざまな案が検討されるなか、近隣の高島屋大阪店(大阪市中央区)と競合せずインバウンドを取り込めるとしてホテルが浮上した。

開業するホテル「シタディーンなんば大阪」は、シンガポール不動産大手、キャピタランド子会社のアスコット社が手がけるサービスレジデンス(中長期滞在型ホテル)。国内では東京・新宿や京都市に次ぐ4店舗目となる。

東別館の1~7階に入り、全313の客室と4つの飲食・小売店やジム、会議室などを設ける。ラウンジには共用キッチンを備え、複数の客室にまたがる家族連れやグループが一堂に集まって簡単な調理と食事を楽しめる。1室1万~5万円程度。誘致の決め手は中国などでの知名度の高さで、高島屋は「難波エリアのグレードを上げられる世界的なブランド」(広報)と期待をかける。

近隣では黒門市場が外国人でにぎわい、高島屋大阪店はインバウンド効果で同社の国内店舗で2年連続売り上げ1位となるなど活況が続く。今後、高島屋は東別館と大阪店の連携を強化。東別館の近くに訪日外国人のためのバス乗降場を設けたり、大阪店との間を送迎したりするサービスなども構想中だ。滞在型ホテルの開設で、大阪店の地下食品売り場の需要掘り起こしにもつながるとみる。

高島屋は「中長期滞在客が集客できれば、難波に軸足を置いた消費の広がりが期待できる」と話す。

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